下甑島
お母さんの初盆で帰省するという
友人の奥さんの故郷へ
3日間
家族全員で転がり込んだ
青い海と
新鮮な魚
おいしい空気
港に着いてすぐ
信号機を指さして友人が言う
「あれね、島に一つだけある信号
必要ないんやけどね
車ほとんど通らんけ
子供達が、本土に行って迷わんように
教育用」
軽トラックの荷台に
総勢9名
揺られながら
海沿いの家へ到着
「おじゃましま〜す」
お父さんだけで住んでるというのに
窓も玄関も
全開放
「戸締まりは?」
「そんなもん、せん」
来る途中に
道路沿いに車が何台か停まっていたが
鍵が付いたまま、窓も全開だった
「車、盗られたりしないんですか」
「逃げられやせん」
確かに、、、、
翌日
苅った稲を
天日干しをする作業のため
家の裏手の道を歩いていくと
道端に
いっぱいの山百合の花
一番上の女の子の名前は
この花からとったらしい
「かのこゆり」という
花の名前をひとつ覚えた
天明と天宝年間の大飢饉の時
島民は根を
食べて餓死を免れた
島には大切な花
それっていつ?
ブルーシートを引いて
その上に稲を並べていく
太陽に乾燥してもらうと
おいしい米になるらしい
並べ終えて、お父さんが言う
「海につかって来、スイカ冷やしとく」
子供達は
いっせいに走りだした
「走らんでも、海は逃げやせん」
家に飛んで帰って
ゴムボートふくらまして
シュノーケルを持って
飛び出して行く
僕も
買ったばかりの
シュノーケルを持って
海へ
子供達は河童のごとく
きゃあ、きゃあ
いいながら
水と戯れてる
僕もその傍で
水にもぐる
海の中を散策
プカァと波のベッドで
お昼寝状態
耳に聞こえるのは
波の音
コポコポコポコポ
僕に当たる波の音
耳の中に出たり入ったり
先日の嵐で透明度は落ちてるけど
それでも、きれいな海
小さな魚が泳いでる
2時間くらいして
「休憩しよう、みんな、スイカ食べに戻ろ」
夜は新鮮な魚に自家製の米
「おいしいね、何にもなくても
ご飯だけでいいね」
「たくさん食べり」
子供達が遠慮無く
何度もおかわりしてる
就寝の時間
六畳二間に9人並んで寝る
僕の隣はゆりちゃん
喜んでる僕
「女の子、欲しかったんだよね」
「ゆりは寝相が悪いから、喜んでるのは、今のうちよ」
ゆりちゃんパパが笑いながら言う
ゆりちゃんの名誉のために
どうだったかは
内緒
翌日
港に向かう前
軽トラックの荷台に乗って
島内をドライブ
「あれがナポレオン岩、はい記念撮影」
パチリッ
思いっきりはしゃいでる
みんないい顔してる
この笑顔が宝物
Photo
1999.08.11
by yuri